いぼとは
いぼとは、皮膚から盛り上がっている比較的小さなできものの総称です。
大きく、ウイルス感染によるものと、加齢に伴う老化によるものがあります。多くの人は見た目、またはかゆみなどの症状を気にしてご来院になりますが、中には悪性のものも存在します。
特に、硬くでこぼこしているもの、ジュクジュク・出血しているものがある場合には、見た目が気にならないから・困らないからといって放置せず、お早めに当院にご相談ください。
当院では、液体窒素を用いた凍結療法、モノクロロ酢酸を用いた治療、内服薬・外用薬を用いた薬物療法に対応しております。
いぼの種類と原因
いぼには、さまざまな原因があります。ウイルス性のものと、そうでないものに分けてご紹介します。
ウイルス感染によるいぼ
尋常性疣贅
表面がザラザラしており、まわりの皮膚と同じ色または白色・褐色のいぼです。手指、足裏などによく見られます。
ヒトパピローマウイルスの感染を原因とします。
扁平疣贅
扁平(平たい)になっているいぼです。まわりの皮膚に近い黄褐色、ピンク色をしています。顔、手の甲などによく見られます。多くは、複数のいぼが集まって発生します。また子ども、若い成人に好発します。
ヒトパピローマウイルスの感染を原因とします。
尖圭コンジローマ
表面がトゲトゲとしており、白色・ピンク色・褐色のいぼとして認められます。肛門のまわり、外陰部に見られます。
ヒトパピローマウイルスの感染を原因とします。
加齢などによる
非ウイルス性のいぼ
脂漏性角化症
表面がザラザラとした、褐色または黒色のいぼです。「老人性いぼ」とも呼ばれますが、40代以降、早い人では30代から見られます。顔、手、腕に好発します。
加齢や紫外線を主な原因とします。
軟性線維種
数mm程度の小さないぼで、褐色であることが多くなります。脛、腋、鼠径部などに好発します。
加齢や紫外線、摩擦を主な原因とします。「スキンタッグ」とも呼ばれます。
いぼの治療
液体窒素による凍結療法
ウイルス性のいぼについては、約-170度の液体窒素を含ませた綿棒を押し当て、意図的に凍傷を起こす「凍結療法」が有効です。1~2週間ごとにこの凍結療法を繰り返し、徐々にいぼを小さくしていきます。治療にはある程度痛みを伴い、治療後もしばらく続きます。
加齢を原因とするいぼの場合にも凍結療法を行いますが、ウイルス性のいぼの場合と比べるとやや治療は軽くなります。軽く凍結させ、特殊なハサミで切除できるケースもあります。
モノクロロ酢酸を
用いた治療
強い酸性を示す「モノクロロ酢酸」をいぼに塗り、組織を腐食・壊死させて取り除く治療です。この治療も、1~2週間ごとに繰り返していく必要があります。
凍結療法よりは痛みが少なくなりますが、モノクロロ酢酸が不向きな症例もございますので、必ずしもご希望に添えるとは限りません。
また、凍結療法でなかなか治らない場合に、モノクロロ酢酸を用いた治療に切り替えるということもあります。
内服薬
ハトムギから抽出した漢方「ヨクイニン」の内服です。
外用薬
サリチル酸を含むシートを貼ることで、いぼの角質をやわらかくする治療があります。シートを貼りっぱなしにしておくと、いぼの組織が少しずつふやけ、脱落していきます。足裏などにできたウイルス性のいぼに有効です。
その他、皮膚のターンオーバーを促進するビタミンD3外用薬、尖圭コンジローマに対するイミキモドクリームを使用することもあります。